がん保険の選び方とおすすめ保険|医療保険との違い

がん保険とは、文字通り「がん」に罹患した場合の治療費をカバーするための保険です。

 

現在は「2人に1人ががんに罹患する」ともいわれており、がん保険の重要性は高まりを見せています。

 

しかし、多くの保険会社ががん保険を提供しているため、どれを選べば良いのか分からないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

そこで今回は、がん保険に関する基本的な知識の紹介と、これからがん保険を検討している方におすすめのがん保険を3つご紹介します。

がん保険とは

がん保険とは、文字通り「がん治療のための保障に特化した保険」のことです。

 

主に以下のような保障が受けられます。

  • がんと診断されたときに受け取れる「診断給付金」
  • 入院したときに受け取れる「入院給付金」
  • がんの手術で受け取れる「手術給付金」
  • がん治療の通院で受け取れる「通院給付金」

また、保障する期間の違いによって終身タイプと定期タイプに分かれているのも特徴です。

終身タイプ

終身タイプのがん保険は保障が一生涯続きます。
加入時に決まった保険料が生涯ずっと続くことになるため、高齢になるほど割安です。

 

80歳など定期タイプでは更新できない年齢であっても保障が得られるため、がん保険への保障を生涯に渡って得たい人に向いています。

 

ただし、加入当初の保険料は定期タイプと比較して割高です。

定期タイプ

保障期間が10年・20年などと決まっているのが定期タイプです。
更新することで満了後も引き続き保障を受けることができますが、80歳など一定の年齢を迎えると更新ができなくなります。

 

保険料は更新のたびに見直され、基本的には年齢を加味して値上がりします。その代わり契約当初の保険料は終身タイプよりも割安です。

 

「子どもが成人するまで」といった具合に、一定期間だけ保障を手厚くしたい方に適しています。

がん保険と医療保険との違い

がん保険は「がんへの保障」に特化している

医療保険では病気やケガによる入院・手術・通院に対して幅広くカバーしています。
一方のがん保険の場合は文字どおりがんに特化した保険になっているため、一般的や病気やケガでは保障されません。

 

その代わり、がんについては医療保険よりも手厚く保障が受けられます。

がん保険には支払い限度日数がない

医療保険は入院した場合に支払われる給付金について、1入院あたりの上限が設けられています。

 

一般的に医療保険のタイトルに「〇日型」と記載があります。
たとえば60日型に加入している場合は、3ヶ月(90日)に渡って入院しても受け取れる入院給付金は60日までです。

 

一方のがん保険では、1入院当たりの支払い限度日数が無制限になっています。
何ヶ月入院したとしても、全日程分の入院給付金を受け取ることが可能です。

がん保険は待機期間が約90日ある

医療保険の場合、以下の3つの条件がそろった時点で給付が開始されます。

  1. 契約の申込
  2. 告知又は審査
  3. 第1回の保険料払込

一方のがん保険では、上記の3つが揃うことを前提条件として、そこからさらに90日が経過してから保障が開始されます。

 

これが「免責期間」です。

 

この免責期間中にがんと診断された場合は契約が無効になり、診断給付金も入院給付金も受け取ることはできなくなります。

免責期間があるのはなぜ?

医療保険には免責期間という考え方は基本的にありません。
なぜ、がん保険には免責期間があるのでしょうか?

 

免責期間がある理由は、「すでにがんに罹患している人ががん保険に加入して給付金を請求する事態を防ぐため」です。

 

仮に「すでにがんに罹患したかも……」という疑いがある人が、がん保険に加入してすぐに給付金を請求できてしまうと、健康な状態で加入してくる一般の契約者からみれば不公平でしょう。

 

加入者同士の公平性を守るために免責期間が設定されているのです。

がん診断給付金がある

医療保険にはない、がん保険ならではのメリットとしてがん診断給付金の存在があります。
がんと診断されただけで一時金として受け取ることができる仕組みです。

 

受け取ったお金に関して利用使途の制限はなく、入院のための準備費用や生活費の補てん、治療費まで自由に使うことができます。

 

1度きりしか受け取れない保険もありますが、がんと診断されれば何度でも診断給付金が受け取れるタイプもあります。

 

がんは一度治療しても完治するとは限りません。
転移・再発の危険性があるため、診断給付金は何度でも受け取れるタイプが望ましいといえます。

がん保険の必要性は?

治療費以外にも収入減少に備える必要がある

がんは、医療技術の進歩で生存率が上がっており、死に至る病というわけではなくなりつつあります。
しかし、治療をしながら働くのは大変です。

 

定期的な通院によって労働時間が減少し、収入が減少する可能性もあるでしょう。

 

また、いつまで治療が続くのかは誰にも分かりません。
収入減少の不安は生涯つきまとうことになります。

 

がん保険で診断給付金を何度でも受け取れるタイプに加入することで、万が一再発して仕事を休んだとしても、入院になった場合の生活費の補てんや治療費などに利用できます。

 

長期に及ぶ治療に関する金銭的な負担を和らげられるのは、がん保険ならではのメリットです。

入院から通院治療にシフトしている

がん保険で受けられる保障のなかでも、「通院保障」の重要性は以前よりも増しています。
なぜなら、がんは入院で治す病気から通院で治す病気にシフトしつつあるためです。

 

以前のがん保険は長期入院で外科手術を受けてがんを切除するのが一般的でしたが、医療技術が発達して手術以外の治療方法が確立されてきたことで、通院や在宅医療でも治療が可能になってきています。

 

しかし、古いタイプのがん保険に加入している場合は保障が不十分の可能性があります。
昔の保険は入院と手術の保障が手厚い反面、通院の保障がない、または今よりも弱い保険もありました。

 

保険の内容は医療の進化に合わせて変わっていくものです。
すでに保険に加入している人も、現在の治療に合うように保険を見直すことも検討するほうが良いでしょう。

がん保険の選び方

診断給付金は何度も支払われるか

診断給付金(診断一時金)の支払い回数は大きく分けて2つがあります。

  • 初回にがんと確定診断された場合にしか受け取れないタイプ
  • がんと診断されれば何度でも受け取れるタイプ

どちらの保険を選ぶべきかといえば、何度でも受け取れるタイプが望ましいといえます。

 

がんは不治の病ということではなくなりましたが、一方で転移・再発のリスクが高まっているともいえます。

 

初回よりも2回目の治療費のほうが高いと言われていることもあるため、何度でも受け取れるほうが望ましいでしょう。

 

ただし、診断給付金を手厚くすると保険料が高くなります。
最低限のがん保険だけ備えたいのであれば、診断給付金の受け取りを1回きりにして保険料を安くする選択肢もあります。

長期間の通院にも耐えられるか

通院保障を重視する場合、保障される期間が不十分ではないか必ず確認しましょう。

 

がん保険は入院には限度日数がなく無制限ですが、通院には限度日数が設定されることがあります。

 

1年のうちに通算〇日と日数が決められている場合、その日数を超える通院期間になった場合には保障の対象外になってしまいます。

 

がんの治療状況や部位などによっても通院期間は異なり、短期で治療が完了すると限ったわけではありません。

 

長期入院になった場合に備えて、通院限度日数はできるだけ長い保険が望ましいでしょう。

 

がん保険によって通院限度日数が異なる場合があるため、検討の時点で必ず確認するようにしましょう。

女性は「上皮内新生物」への保障も万全に

ひとくちに「がん」といっても、悪性新生物以外に「上皮内新生物」と診断される可能性もあります。

 

上皮内新生物とは、がんが上皮に留まっている状態のことです。深い部分に浸潤しておらず、転移の可能性が低いことから治療が比較的簡単な初期のがんとされています。

 

悪性新生物よりも死亡率は低く治療費も比較的安いため、そこまで神経質になることはないかもしれません。

 

ただし、がんに備えたい女性の場合は別です。

 

国立がん研究センターの「全国がん罹患モニタリング集計2015年罹患数・率報告」によれば、がんのうち上皮内新生物と診断される確率は女性特有のがんで高くなっています。

部位 上皮内がん(%)
全部位 10.1
食道 9.3
大腸 22.4
結腸 24.3
直腸 18.6
0.3
皮膚 20.3
乳房 10.1
乳房(女性のみ) 10.1
子宮 44.0
子宮頚部 65.1
膀胱 44.2

全部位の平均でみると10%が上皮内新生物と診断されていますが、女性だけが罹患する「子宮がん」では44.0%、子宮頚がんでは65.1%が上皮内新生物として見つかるとされています。

 

男性と比較し、上皮内新生物に罹患する可能性が非常に高いのが分かります。

 

がん保険のなかには上皮内新生物は保障の対象外、あるいは給付金額が減額する商品も珍しくありませんが、上記のような女性特有のがんに備えるには不十分です。

 

このことから、女性は上皮内新生物でも悪性新生物と同様の保障が受けられるがん保険が望ましいといえるのです。

 

参考:国立がん研究センター|全国がん罹患モニタリング集計2015年罹患数・率報告|69P

おすすめのがん保険3選

チューリッヒ「終身ガン治療保険プレミアムZ」

チューリッヒの終身ガン治療保険プレミアムZ」は、お手頃な保険料で今の時代に合った保障が得られるがん保険です。

 

保険診療による抗がん剤治療に加え、健康保険がきかない自由診療による所定の抗がん剤やホルモン剤も保障されます。

 

所定の抗がん剤治療を受けた月ごとに保障を受けられるだけでなく、基準給付月額の最大120ヶ月分の長期保障にも対応しています。

 

また、通院しなかった月でも、医師から処方された抗がん剤の投与期間が複数月にまたぐのであれば月ごとに給付金が受け取れます。

 

そのほか「保険がきかない所定の自由診療であっても給付基準額の2倍または4倍の給付金が受け取れる」「24時間いつでも申し込みが可能」「クレジットカードにも対応」など、細やかなメリットが多い保険として人気があります。

ライフネット生命「ダブルエール」

ライフネット生命のダブルエールは、ニーズにあわせて保障内容を選べるがん保険です。

 

以下の3つのタイプから保障内容を選択できます。

  • 診断一時金のみの「シンプル」
  • シンプルに長引くがん治療を保障する「ベーシック」
  • 治療費も収入減少も保障する「プレミアム」

ベーシックは、シンプルでも選べる診断一時金に加えて「治療サポート給付金」が受け取れるプランです。
治療を受けた月ごとに、月に1回10万円を回数無制限で受け取れます。

 

プレミアムではさらに「がん収入サポート給付金」が加わります。
診断一時金の50%にあたる金額を1年に1回、最大5回まで受け取ることが可能です。

 

ベーシックとプレミアムでは「がん先進医療給付金」も選択可能で、上皮内新生物でも悪性新生物の50%の診断一時金が受け取れます。

アクサダイレクト「がん終身」

アクサダイレクトは保障を増やすのではなく、必要最小限まで減らすことでお手頃な保険料を実現している保険です。

 

がん診断給付金と入院給付金の基本保障に加えて、抗がん剤治療の保障などに手厚く備えたい場合には必要な分だけ特約として保障を追加できます。

 

必要最小限の保障だけを自分でカスタマイズしたい人に向いているといえるでしょう。

 

ネックは診断給付金が初回だけしか受け取れないことですが、代わりに上皮内新生物でも満額が受け取れます。

 

また、診断給付金の受取り回数を絞りこむことで保険料が安い点がメリットです。
30歳の男性が最小限の保障で加入した場合、毎月の保険料は855円という安さ(2021年4月現在)です。

 

「がんに最小限の保障だけ備えたい」「自分でカスタマイズしたい」という人に適している保険といえます。

まとめ

今回はがん保険に関する基本的な知識と、これからがん保険への加入を検討する方に向けておすすめのがん保険をご紹介しました。

 

ひとくちに「がん保険」といってもその種類はさまざまです。

 

診断給付金も受け取れるのが1回きりの商品もあれば、条件を満たせば何度でも受け取れる保険もあります。
ただし、条件が良い保険ほど保険料が高くなるため、費用と保障のバランスを考えることも必要です。

 

ご自身がどれだけ「がん」に対して備えたいのかを明確にしたうえで、候補になるがん保険を絞り込んでいきましょう。