生命保険の種類と必要性をわかりやすく解説

ひとくちに生命保険といっても、その種類はさまざまです。
どんな保険が適しているのかは、家族の年齢や収入、貯蓄、ライフスタイルによって大きく異なります。

 

適切な保険を選ぶためには、生命保険の種類と全体像を把握しておくことが欠かせません。

 

そこで今回は、「そもそも生命保険とは何か」「どんな種類があるのか」といった基本的な内容を紹介しつつ、みんなはどれくらいの保険金額を設定しているのかを解説します。

生命保険とは

生命保険とは、契約時に定めた「被保険者(保険の対象者)」が死亡または高度障害状態になった場合に、あらかじめ契約者が指定してある受取人に保険金が支払われる保険のことです。

 

被保険者の死亡など、万が一が起こったあとに残された遺族の生活を保障する制度といえます。

 

ひとくちに生命保険といっても、その種類はさまざまです。
大きく分けて「死亡保険」「死亡保障付き生命保険」に分かれており、さらにそのなかでも細かく種類が分かれています。

特約を付けることで保障が手厚くなる

保険はメインとなる「主契約」のほか、主契約をカバーする形で契約する「特約」も存在します。

 

特約は主契約に上乗せする形で契約する、いわゆる「オプション契約」です。

 

契約者の自由に保険をカスタマイズできる点がメリットですが、特約分は保険料が上乗せされる点はデメリットです。

 

さらに、特約だけの契約はできないことも知っておきましょう。
何らかの理由で主契約を解約した場合、特約部分も一緒に消滅します。

持病がある人でも加入できる保険もある

生命保険に加入する場合、健康状態などを保険会社に知らせる「告知」が必要です。
その内容次第では保険に加入できないこともあります。

 

たとえば「持病がある人」は告知で持病の詳細を記載する必要があります。
その内容次第では一般的な生命保険に加入できない可能性もあるでしょう。

 

しかし、持病があるとどんな保険にも加入できないわけではありません。

 

通常の保険に加入できない人のために、加入条件が緩やかになった保険もあります。

  • 引受基準緩和型
  • 無選択型

引受基準緩和型は、告知の内容が限定された商品です。
3~4つの告知内容に絞り込まれており、告知の中身も比較的緩い条件になっているのが特徴です。

 

一方の無選択型は、健康状態の告知や医師の診査なしで加入できる保険のことです。
告知の必要がないため、持病がある人でも問題なく加入できます。

 

ただし、「一定期間の保険金支払いが減少する」「保険料が割高になる」といったデメリットがあるため、支払う保険料に比べて保障内容が十分ではないこともあります。

 

持病の程度によって一般の保険に「特定部位不担保」などの条件を付けることで加入できる場合もあるため、持病の人は絶対に上記の2つしか加入できないというわけでもありません。

 

あくまでも一般の保険に加入できない最後の手段として捉えておきましょう。

生命保険の主な種類

死亡保険

定期保険

定期保険は、文字通り保障期間が一定期間に限られる保険のことです。

 

10年など区切りになる期間が設定されており、契約期間中に被保険者が亡くなると保険金が支払われます。

 

保障される期間が10年や15年といった具合に決まっている「更新型」のほか、保障される年齢が60歳までといった具合に決まっている「全期型」もあります。

 

保険期間が満了すると保障も終了しますが、更新することで再び保障が受けられます。
その代わり、保険料は更新時の年齢で再計算されるため、基本的に今までよりも高くなります。

 

また、定期保険は途中で解約しても「解約返戻金」は受け取れません。

 

満期を迎えても満期保険金を受け取れず、保険料は払いきりになるため「掛け捨て」と呼ばれます。

 

代わりに保険料は安くなるため、一定期間だけ保障を手厚くしたい場合に適しています。

終身保険

終身保険は一生涯保障が続く保険であり、その特性上「満期」という概念がありません。

 

定期保険と違って貯蓄性があり、途中で解約した場合は解約返戻金を受け取れます。
契約期間が長くなると払い込んだ保険料に合わせて解約返戻金も増加していくため、死亡保障と老後の貯蓄の両方を準備できるのがメリットです。

 

加入した時点の保険料が一生涯適用されるため、途中で値上がりすることもありません。
更新を続けると保険料が上がっていく定期保険と違い、若いうちに加入するほど保険料が安くなります。

 

ただし、貯蓄性が高い分だけ毎月の保険料が割高になるデメリットもあります。

定期付終身保険

終身保険が主契約となり、これをカバーする形で定期保険を特約として上乗せする保険のことです。

 

終身保険の部分は生涯に渡って保険料が一定ですが、定期保険である特約部分は更新時に値上がりします。

 

終身保険で生涯に渡る保障を備えつつ、「子どもが成人するまで」など一定の期間だけを定期保険でさらに手厚くしたい場合に適しています。

収入保障保険

収入保障保険は、被保険者が死亡した際に一時金としてではなく、年金形式で分割して受け取れる保険のことです。

 

年金には会社所定の保証期間があり、最低でも保証期間分の年金は受け取ることができます。

 

死亡した時点から保険期間満了まで年金形式で受け取るため、死亡時点が保険期間満了に近づくほど受け取れる保険金が少なくなります。

 

保険期間ならどこで死亡しても同じ保険金を一括で受け取れるのが同じ掛け捨ての「定期保険」との大きな違いです。

 

毎月定期的に受け取れることで、生活費の補てんとして使いやすいメリットがあります。
また、受け取り時期によって保険金の総額が変わる仕組みのため、定期保険よりも割安に生命保険を契約することができます。

 

一般的に子どもが成長するほど必要なお金は減少するため、時間経過とともに保険金額が少なくなる代わりに保険料が割安な収入保障保険は合理的な設計の保険といえます。

死亡保障付き生存保険

養老保険

保健期間は一定で、その間に死亡した場合には死亡保険金、満期まで生存していた場合は満期保険金を受け取れる保険です。
さらに、終身保険と同様に、途中で解約した場合には解約返戻金を受け取れます。

 

どのような結果になっても一定のお金が戻ってくるのが特徴で、定期保険や終身保険などと比較しても貯蓄性が高くなっています。
ただし、その分だけ保険料も割高です。

 

「老後の資金に充てたい」「子ども(孫)の学費・生活費の足しにしたい」といった明確に解約返戻金や満期保険金の利用目的がある場合に適しています。

学資保険

子どもの学費を貯めることを目的とした保険のことです。
満期まで親が生存している場合、満期保険金が受け取れます。

 

また、もし契約期間中に契約者である親が亡くなった場合は以降の保険金の支払が免除されます。
満期保険金や一定年齢で受け取れる「祝い金」については契約通りに受け取ることが可能です。

 

親に万が一のことがあっても確実に学費を用意できるのが、通常の貯蓄にはない強みといえるでしょう。

 

また、特約を充実させることで、子どもがケガをした時の入院・通院をカバーできます。

 

ただし、特約を付けると保険料が割増しになるため返戻率が100%を下回る可能性があります。
さらに、貯蓄と違って満期までは解約しない限り自由にお金を引き出せないことも知っておきましょう。

個人年金保険

個人年金保険は、保険料を積み立てることで契約時に定めた保険金受取開始日から、年金形式によって保険金を受け取れる保険のことです。

 

貯蓄のための商品ですが、生命保険の一種に分類されています。

 

公的な年金の上乗せが目的の商品であり、かつ解約しても解約返戻金が支払われる貯蓄性が高い商品です。

 

一定の条件を満たした個人年金保険は、生命保険料控除のなかでも定期保険や終身保険とは違う区分の「個人生命保険料控除」の対象になります。

 

さらに、所定の3大疾病になった場合に保険料の払込が免除される「保険料払込免除特約」の特約を設定することもできます。

生命保険の必要性

万が一のリスクに備えるため

生命保険は、生活のなかに潜むリスクをカバーすることを目的に加入します。
生命保険がカバーできるリスクは「家計が支えている人が亡くなった場合の収入減」です。

 

定期保険や終身保険であれば保険金を一括で受け取ることができるほか、収入保障保険は年金形式で毎月受け取ることが可能です。

 

住宅ローンに関しては団体信用生命保険に加入しているため、契約者が死亡すれば支払う必要がなくなります。
残る心配である「遺族の毎日の生活費」「子どもの学費」をカバーできるのが生命保険の強みです。

将来の安心のため

定年退職後は収入源が年金だけになることが一般的です。
もし貯蓄が少ない場合、将来的に資金が底を突くことが考えられます。

 

実際、金融庁が2019年に発表した報告書では「老後資金は平均的な所得の夫婦で約2,000万円が不足する」とも試算されており、ニュースで大々的に取り上げられて話題になりました。

 

そのような資金的な不安に備えられる商品が学資保険や個人年金保険です。

 

たとえば個人年金保険では一定の保険料を支払うことで、将来に年金形式で保険金を受け取れます。
年金の上乗せとして自分で年金を作ることができるため、将来不足するであろう金額を自分でカバーすることで老後不安の解消につながります。

万が一の場合はどれだけの金額が必要?

生命保険の保険料を考えるために、まず生命保険で保障するべき金額はいくらなのか、把握する必要があります。

 

そこで、世帯主が万が一の場合に必要になる生活資金をみてみましょう。

 

公益財団法人生命保険文化センターの「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によれば、「世帯主が万が一の場合の家族の必要生活資金」は以下のとおりです。

- 年間必要額 必要年数 総額 世帯平均年収 総額/世帯平均年収
平成30年 327万円 16.7年 5,558万円 604万円 9.2年分
平成27年 328万円 16.8年 5,653万円 598万円 9.5年分
平成24年 331万円 16.5年 5,514万円 589万円 9.4年分
平成21年 344万円 16.8年 5,804万円 614万円 9.5年分
平成18年 362万円 17.0年 6,209万円 633万円 9.8万円

出典:生命保険文化センター|平成30年度生命保険に関する全国実態調査|79P

 

また、万が一のことが起きた場合に、家族の必要生活資金を得るために必要な世帯主の死亡保険金額の割合は以下のとおりです。

- 万が一の場合の必要生活費① 世帯主平均加入普通死亡保険金額② 充足率(②/①)
平成30年 5,558万円 1,406万円 25.3%
平成27年 5,563万円 1,509万円 26.7%
平成24年 5,514万円 1,671万円 30.3%
平成21年 5,804万円 1,768万円 30.5%
平成18年 6,209万円 2,046万円 33.0%

出典:生命保険文化センター|平成30年度生命保険に関する全国実態調査|79P

 

この調査の結果だけを見ると、家族に遺しておきたいお金は約5,500万円ということになります。
そして実際に生命保険を利用している人の平均的な死亡保険金は約1,400~1,500万円です。

 

必要な生活費の約25%分を保険でカバーしている人が多いという結果になっています。

 

しかし、これらの数値はあくまでも平均の話です。本当に必要な金額は自分や家族の収入・貯蓄・家族構成などによっても違いがあります。

 

子どもが生まれたばかりであれば独立するまでの18~22年間の生活費を考慮する必要があるでしょうし、すでに独立している、または独立直前であれば必要な生活費は少なくなるでしょう。

 

また、配偶者が正社員として働いているか、専業主婦あるいはパート社員なのかによっても、生命保険でカバーする金額は異なります。

 

自身や家庭のライフスタイルに合うような保障を準備することが大切です。

まとめ

今回は、「生命保険の基本知識」「どんな種類があるのか」といった基礎的な内容を紹介しました。

 

ひとくちに生命保険といっても一定期間の保障を手厚くする「定期保険」、終身で保障する「終身保険」、毎月少しずつ年金形式での保険金を受け取る「収入保障保険」などに分かれており、どれを選択するかはライフスタイルによっても異なります。

 

また、設定する保険金額は家庭ごとに異なりますが、平均にすると約1,500万円、家族が必要になる平均的な生活費約5,000万円の約25%をカバーする金額を設定するのが一般的なようです。

 

ご家族の状況や将来の収入まで加味しながら、最適な保険を選べるようにしておきましょう。